よくある質問-1

Q ナゼ値上がりが期待出来る物件をオーナーは売りに出すのか? 売り物件の看板をあちこちに見かけるけど、景気が良くないのでは?


A不動産の視察に同行した際によく日本の方から質問があるのは、「売り物件の看板をあちこちに見かけるけど、景気が良くないのでは?」というものです。
確かに日本では企業の倒産や社員のリストラも増え始め、またそこまでではなくても、急に給料がカットされたりボーナスの支給がなくなるなど、厳しい時代に なりました。住宅ローンが払えきれなくなり、泣く泣くマイホームを手放さなくてはならない、というケースも少なく無いと聞きます。日本がこうした状況です ので「住宅が売りに出る」=「生活苦」「自己破産」など、どうしてもネガティブなイメージになりがちですが、それは日本国内の状況であって、必ずしも海外 でイコールとは言えないのです。

『売り物件の看板をあちこちに見るけど、景気が良くないのでは?』

その答えは、ニュージーランドと日本の“住宅に対するスタンス”と“ライフスタイル”を比較することでみえてきます。
ニュージーランドと日本を比較して大きく違う点が2つあります。
1つ目は、「親と同居する習慣が無いこと」。そしてもう1つが、「高校は学区制となっていること」です。(注:後者は特にオークランド周辺だけかもしれませんが)
この2つの特徴は、実は皆さんが思う以上にオークランドの不動産に大きな影響を与えています。もう少し詳しくお話しましょう。

親と同居する習慣が無い

まず高校を卒業して専門学校や大学に通ったり、社会に出る年齢になると、多くのニュージーランド人は親元を離れて暮らし始めます。学校や職場の近くに 1LDKのアパートやマンションを借りて、一人暮らしを始めたり、3人ぐらいで1軒家を借りて、共同で生活したりします。これが10代後半ですね。

それから5~7年して結婚する年齢になります。結婚して新居として別な場所に賃貸したり、思いきってマイホームを購入する人もいます。

その後、数年して一人目の子どもが生まれ、2LDKの場所に移り住み、また数年して2人目の子どもが生まれ…。子どもが成長して、住んでいる所が手狭に なって来ると、それに応じて3LDK、4LDKと毎回引っ越しをして繰り返して行きます。(ちなみにニュージーランドでは自宅の1室をホームオフィスとし て活用し、ビジネスをする人が少なくありませんので、4LDKの住宅の需要はきわめて高いのが現状で、最近では5LDKの需要も高まっています。)

高校は学区制

そして子どもが高校に入学する時期を迎えます。学区制ですので、その地域に住んでいることが高校に入学できる第一条件になっています。ですから「○×学校に子どもを通わせたい」と思うと、またその地域へ引っ越しをするわけです。

オークランドのノースショアですと、Rangitoto CollegeはRangiゾーン、Takapuna Grammar SchoolはTGSゾーンと呼ばれ、不動産情報誌などの広告にも、よくこうした言葉を目にします。「この家に住むと何々高校に入学出来ますよ」というのが一つの売りになっているわけです。進学校や人気のある高校の学区は移り住んで来る需要がそれだけ多いので、住宅の価格もそれに影響を与えています。

そして、子どもが高校を卒業すると、彼等もやはり一人暮らしを始めます。もうそうなると、今までのような4LDKは広すぎる、というわけで、今度は逆にもっと小さな家を探して、また移り住んで行きます。そしてリタイヤメントの時期を迎えます。

今まで仕事や子どもたちの学校のためにオークランドの町中に生活していた理由ももう無くなりましたので、定年後はもっとのんびりしたライフスタイルを求め、オークランドの中心からもっと静かな場所へと更に引っ越しをして行きます。子どもは親と同居の習慣はありませんので、親は親だけで自分達の生活に合わ せて引っ越しを繰り返していくのです。いかがですか?日本と大きく違いますよね。

ライフスタイルの変化に合わせて、住む場所、住む環境も変えていく。

これがニュージーランド人の住宅に対するスタンスになっています。もともとニュージーランドという国そのものが移民の国ですので、日本のように「先祖代々の土地や家を守る」というような発想が全くないのもこうした「絶えず引っ越しを繰り返すスタイル」に影響しているのかもしれませんね。

ニュージーランドの人口は約400万人と、確かに日本に比べて非常に少ない国ですが、一生のうちに引っ越しする回数は、日本人の5倍~7倍にもなるので、 実際の不動産売買数は一人当りにすると日本の5倍~7倍あるのです。これがこの国の不動産売買の市場規模です。

もともとイギリスからの移民が多かったので、この国の不動産取引もイギリスの法律をベースに作られていましたが、ニュージーランドでは引っ越し需要がこれ だけあるため、それに伴い不動産売買例も多種、多様化し、絶えず「進化」しているため、現在ではニュージーランドの不動産取り引きの法律を逆にイングラン ドやスコットランドがお手本にしているまでになっています。

不動産売買が絶えず発生しますので、そこには必ず受給があります。そのため住宅の価格も上昇して行くのです。この100年間の歴史を振り返ってみると、ニュージーランドの住宅は毎年平均で10%ずつ上昇している計算になります。

毎年10%の上昇というのは、10年で約2倍になる計算ですが、現在ニュージーランドにはこの価格の上昇分の利益(=キャピタルゲインと言います)に税金がかかりません。これはOECD諸国でニュージーランドだけの特長です。

例えば、1000万円で購入した住宅に7年間住んで、仮に売った値段が2000万円だったとしたら、その差額(=利益)の1000万円に全く税金がかから ず、そっくり手元に残る国なのです。引っ越しをする時にこのキャピタルゲインを次の住宅購入資金としてフルに活用することもできますし、また定年を迎えて ひと回り小さな家に移り住む時に、老後の生活を楽しむための余剰資金として使えるわけです。

キャピタルゲイン課税(値上がり益に対する税金)が無い国なので、引っ越しを繰り返していくことで自分の資産を形成しているのがニュージーランドで、逆に引っ越しをしないとなかなか資産が増えないのがニュージーランドの現状だと言えます。

『売り物件の看板をあちこちに見るけど、景気が良くないのでは?』


その答えは、「NO」だということがお解り頂けたと思います。


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