完成前に販売されるプレビルド物件を購入する際の注意点

 新興国の不動産物件は、物件が完成する前に購入契約を締結する「プレビルド」と呼ばれる形態で物件を購入することが多くあります。

 プレビルドは、(完成していないので)図面や完成予想の模型をみることで物件のスペックを確認するしかありません。このため、物件の品質は、物件が完成しないと(できあがってみないと)わからないというリスクがあります。

 言い換えると、プレビルド物件の品質は、物件を開発するデベロッパーと呼ばれる不動産開発業者に依存することになります。デベロッパーが、きちんとした物件を作り上げて引き渡してくれれば何の問題もないのですが、完成した物件の品質が、事前の説明と異なる劣悪なものであったり、物件を完成させることができずに行方をくらますこともあり得ます。

 物件の品質が低いことは、海外不動産投資において問題です。物件の品質が低ければ、テナント(物件の借り手)が見つからず、想定していた賃料収入が得られない可能性が高まります。また、物件を売却する際にも、売却価格が想定した水準を下回り、最終リターンが低下する恐れがあります。

海外デベロッパーを必ず確認する

 デベロッパーを選ぶ際には、過去に開発した物件(実績)が重要となります。過去に開発した物件を実際に見学するのがよいでしょうが、見学が難しい場合、書面で過去に開発した物件の概要、開発件数、物件の販売金額を確認することが求められます。

 実績を確認するほか、知名度、現地株式市場での上場の有無、経営者や創業者の経歴や現地でのステイタス、デベロッパーのこれまでの歴史なども判断材料となります。

 また、周囲の類似物件の販売価格や賃料水準を確認することも重要です。不動産物件は、立地で販売価格や賃料水準が決まる部分も大きいので、比較対象として周囲の類似物件から得られる情報は、プレビルド物件を評価するうえで有用です。

 デベロッパーを判断するための材料や情報は、プレビルド物件を紹介する販売会社から入手するのが一般的です。仮に販売会社がデベロッパーに関する情報の開示に消極的であれば、物件の購入は見送ったほうが無難です。

 過去に開発した物件を調査する際には、外部業者を利用する方法もあります。たとえ不動産投資を長くやってきた方であっても、完成した物件を適切に調査できる方は少なく、物件の不具合や欠点(瑕疵)を見抜くことは難しいからです。

 外部業者による調査では、物件の眺望や管理、清掃状況といった細かい点も確認することができます。また物件だけでなく、周辺の環境や、入居者の属性なども調査対象にするといいでしょう。